ゲッベルスと私

ドキュメンタリーというよりは記録映画感が強いような印象。
インタビュー受けてる方は103歳。記憶もしゃべりもしっかりしてることに驚く。
覚悟はしていたけど、後ろの席のおじさんが呻き声もらすくらい辛い場面もあって(これはインタビューそのものではなく、間に流れる資料映像部分)直視できなかった。
映像が紹介されるところで「映画」って書いてあったからフィクションかと思ったのに、本物の、骨と皮しかなくなったような死体が通りに転がってて、ほんとにゴミ処分するみたいに雑に台車に乗せて運んでいく場面とかぞっとした。その他にも、まともに見たら吐きそうな映像もあった。


「私は何も知らなかった」と話していて、宣伝大臣の秘書やってる人でもそういうレベルってマジですかと思ったけど、ユダヤ人が排斥されてることは分かっててもあそこまで非道に虐殺されてたとは知らなかったてことなんやろな。
予告編で見た「ヒトラーを欺いた~」でも出てくるユダヤ人側の見つかれば殺されるっていう緊迫した空気みたいなものが感じられないのが不思議。


いや、でもあの映像みたいに、死体が転がっててるのを見てなかったの??普通にその横歩いて通りすぎたりしてる人いたのに。あれで何も感じなくなってるとしたらその麻痺レベルいきすぎてる。


国民ががゲッベルスの演説聞いて熱狂してるの見て固まってしまって拍手もできなかったと言ってたように、ある程度冷静なのに、おそらくこの人以外にもそういう人はいただろうにああいう結末になってしまったというのが心底おそろしかった。


最初は、国を良くしたいという想いから始まってるはずの政治がなんでこういうことになってしまうのか。何故、強い想いのなかった国民が熱狂してしまうのか。気がついたら後戻りできずに押し流されてしまうような力になる前に一人一人の頭で考えなくては。