よしもとばなな「彼女について」

よしもとさんの話でここまでファンタジーなのは初めて読んだ。
途中とかちょっとしたサスペンスだよ。
結構後半まで現実世界の話だと思ってた。
今回の設定はさすがにリアリティを持っては読めんかったけど、
やっぱりこの人の書く生死感は凄く好きやなぁ。

最後の、ピクニックの描写の部分が素敵すぎて幸せすぎて
自分でもびっくりするくらい急に泣けてきた。
ここで切なくなるってことは、「死ぬ」＝「悲しいこと」
っていう図式が自分の中にできてるからなんやけど、
この話の本人は決してそういう感じじゃないんだな。
まぁ、当事者だからそう思わないだけかもしれない。
やっぱり、残された側のことを思うと、物語とはいえども胸が詰まる。
けど、自分が死ぬ時はこういう気持ちで逝きたいもんだと思いました。