川上弘美「風花」

ううむ、これも「夜の公園」と似た印象。
下世話なあらすじとしては、
妻(のゆり)が夫(卓哉)に浮気される話。


のゆりが、川上さんの話に出てくる人物独特、
といった感でふわふわしてて、考え方が読めない部分が多い。
なんだか本筋をとらえられないまま終わってしまった感あり。
今後、のゆりと卓哉がどうなっていくのか読めなかったし。。。
ほんわかしてない川上さんの作品は私にはちょっと難しい気がするなぁ。


「この人をずっと好きでいることができるのは、きっと、わたしだけなのに。」
っていう部分がとても印象的でした。
私自身が凄く「白黒はっきりつけたい人」で、
グレーの部分を受け入れるキャパが全然ないなぁと改めて思う。
のゆりが、別れよう、と思うけど、その瞬間悲しい気分に襲われるのは
上のように思ってるからで、そこには愛情(同情も含まれた)があるんだよな。
もし、自分が浮気されて(しかも子供まで出来てて。産まないけど)
「別れたい」とか言われて、その上その浮気相手の他に
さらにもう1人浮気相手(こっちは勢い上とはいえ)が出てきたりしたら…
とてもじゃないけどそんな風に思えないなぁ。
思えたとしても、「わたしだけなのに。でも見放してやる、ざまーみろ!」
っていう悪魔みたいな付け足しがあるなぁ確実に。
もう少し人生経験と徳が積めたら「そうよね」と
理解することができるんだろうか。