読書の冬

正月あたりから色々と読んでいます。
作家の幅はあまり広がらずですが。


「浮世でランチ」山崎ナオコーラ
淡いっす。悪く言えば印象薄いっす。
刺さってくる言葉があんまりなかったなぁ。
主人公の君枝がタイで中学校の同級生に出会うところがあるんだが、
なぜアイツじゃなくてコイツなんだろう、
という、大事そうな部分の意味があまり分からず。


「遍路」本谷有希子
戯曲。今回も家族の話。
東京で劇団に入り、夢見ていた娘が久々に帰省し、
「女優を辞めて田舎に帰りたい」と打ち明ける。
濃密な「田舎臭」に愕然としつつ
田舎暮らしをしている親戚家族を見下すその娘とその家族のお話。


やー、これもすごい面白かった!
いつもはぶっ飛んだ女性の主人公にみんなが巻き込まれていく
パターンが多いんですがこの話はお父さんもぶっ飛んでる。
この娘みたいに田舎を見下すような気持ちはないが、
「全くないと言えるの?」と自問自答。
この娘みたいに人のせいにはしないけどね。
巻末の本谷親子対談も素晴らしいです。
表紙も本さんだしこの本は買いだな〜。



グラスホッパー伊坂幸太郎
寺原の息子に妻を殺されて復習しようとたくらむ鈴木。
しかし寺原の息子は「押し屋」に先に殺される。
鈴木と、自殺させ屋の鯨、殺し屋の蝉の3人の視点で動いていく物語。


3人が近付くことによって謎がするすると解けていくのが気持ちいい。
が、3人が絡んでいく理由が蝉・鯨の視点だと
私には完全に理解できなかったよ。
オチとしてはちょっと弱い気がした。
それまでがハラハラドキドキだっただけに。


「キル」野田秀樹
戯曲。初の野田作品。劇場でも1本も見たことない。
堅苦しいかと思ってたら全くそんなことはなかった。
むしろ下らない内容が多かった。
この話に関して言えば、ちゃんと舞台で見た方が数段面白いだろうな。
想像力が追いつかないところがある。
野田さんの頭の中はどうなってんだ。
逆に、舞台で見るとセリフ内の言葉遊びを
全部理解するのは難しいだろうけど。
もう少し笑いに重点を置いたらラーメンズっぽくもある。
でもダジャレ多すぎ。


「夢を与える」綿矢りさ


「絵描きの植田さん」いしいしんじ


とりあえず、「遍路」と「絵描きの植田さん」
は買いの本だったわ!
感想詳細後日!